結婚調査というと、親が子供の交際相手を調べるケースを想像する方が多いと思うが、最近では自身で交際相手を調査するケースが非常に増えている。勿論交際相手に不審な点を感じて相談に訪れる人もいれば、結婚後に「こんな人だとは知らなかった・・・」などということがないように、調べられる範囲で相手のことを知っておきたいと考える人もいる。今回の依頼者はこの後者のケースである。
依頼者は1年ほど交際を続けている彼氏と近く結婚を考えているとのこと。相談のきっかけは別段彼氏に不信感を抱いているわけではないものの、気がついてみれば自然に相手を受け入れていたため、逆に見えていなかった部分や自分の知らない一面があるのではないかという理由からだった。
早速彼氏についていくつか質問をしていくうちに、何となく嫌な予感がしてきた。その中でも特に気にかかった点は、二人が会うのは専ら外か一人暮らしである依頼者の自宅だという。彼氏も実家に住んでいるわけではないが、弟と同居しているからとの理由で自宅アパート前までしか行った事がないそうだ。最近では出会い系サイトなどが普及し容易に見知らぬ男女が出会えるため、交際相手について知っていることといったら携帯電話番号とメールアドレスくらいで、名前も本名か定かではないという話もよく耳にする。従って、自宅に入ったことがないという話くらいでは全く驚かないが、それでも結婚を考えている相手の自宅に入ったことがないとは、常識からいっても非常に理解し難いことである。そのため、さらに質問を続け金銭の貸し借りはないか尋ねてみると、それほど大きな額ではないがお金を貸したことがあるという。最後に彼氏にも結婚の意志があるのかを質問すると、どうやらあるらしい。しかしながら、口では何とでも言えるものである。
調査の結果はやはり予想していた通り、この男性は妻帯者であることが判明した。この報告にはさすがに依頼者も絶句。怒りや悲しみを抑えきれないといった様子だった。「恋は盲目」とはよく言ったもので、傍から見ていれば気づくことでも、当の本人は相手を思う感情ゆえに冷静さを失うことが多々あるものである。依頼者にとってはショッキングな結果だったに違いないが、後になればなるほど事実を知った時に受ける心の傷は深くなっただろう。早く立ち直って今度こそ本当の幸せを掴んで欲しいものである。